「とれたんと」で元気な畑、作物を作るJA十勝清水町のあずき茶

ブランド牛の十勝若牛をはじめ、様々な取り組みを行うJA十勝清水町。
JA十勝清水町の皆様は2017年6月の当店オープンイベントにてご一緒して以来、様々な商品開発、イベントでご支援をいただいております。

今回は当店新商品「北海道十勝清水町産あずきの深煎りあずき茶」の製造工程を伺うと共に、JA十勝清水町の吉国様、渡辺様に生産者と一体になり取り組む農業への想いについてお話を伺いました。

JA十勝清水町 集合写真
▲写真前列右:渡辺様、前列右から二番目:吉国様。東京の代々木公園で行われた「ザ・北海食道」へ出店していた際の写真

おいしい小豆は「とれたんと」

――本日はお時間をいただきありがとうございます。早速ですが、あずき茶についてお話を伺わせてください。

渡辺:まずは私たちが作っている「あずき茶」とは何かというところからですが、北海道十勝地方の代名詞の一つに小豆があります。
十勝の小豆は品質が良く全国の和菓子・洋菓子等に使われており「畑のダイヤ」とも呼ばれるほど栄養価に優れている事で知られております。
この栄養価に優れている小豆を「お汁粉以外の飲み物にできないか」「十勝にはソウルフードはあるがソウルドリンクがない」と言うところから始まりました。

あずき茶には、アンチエイジングで有名な「ポリフェノール」が含まれており「ノンカフェイン・ノンカロリー」ですのでお子様からご年配の方まで幅広くご愛飲頂けます。
飲んで頂くと分かるのですが、ホッと癒されるのですよ。コンセプトは「どこか懐かしい、心落ち着く味わい」で作っています。

――そういうお話をお聞きしたかったです!早速ありがとうございます。

吉国:農協内部でも会議・お客様がいらっしゃった時、全て「あずき茶」をご提供してます。
冬は温かいもの、夏は冷たいもの。渡辺が考えたこのキャッチコピーの通り、飲むと落ち着くのですよ。
なんでしょう、ストレス社会で生きているからでしょか。まあ、私たちはあまりストレス無いですが(笑)


――そうなのですね(笑)使用している小豆など、様々な作物に付けている「とれたんと」についても教えてください。

渡辺:「とれたんと」とは、酪農家から出たバイオマス資源を良質な有機肥料として「しみず有機」にかたちを変え、循環型農業と
して土に戻し”元気な土つくり”そして”元気な土を育てる”この取組みこそが「とれたんと」ブランドの由来です。
「とれたて」を「たくさん(たんと)」皆さんに届けたいという意味を込めています。


――「しみず有機」とはどのようなものなのでしょうか?

渡辺:まず、土が元気ではないと良い作物は育たないのです。
十勝清水町は畜種農家と耕種農家がバランス良くちょうど半々で共存しています。
家畜から排泄される糞尿を完熟堆肥と言われる状態まで腐熟化させペレット化にしたものが「しみず有機」です。
そうすることで臭いなども気になりませんし、長年作っていると土が元気になるんです。やはり、元気な土から作る作物は良いんですよ。


――やはり味が違うのでしょうか?

吉国:そうです!

渡辺:一般的には腐熟化が進んでいない堆肥を施用すると雑草が発生したり、根腐れと言った弊害が発生するのですが、「しみず有機」はそういったことがありません。


――なるほど。「しみず有機」を使って取れたものだけが「とれたんと」となるのですね。

吉国:最近までは、しみず有機の土でつくったものを「とれたんと」としていましたが、このしみず有機の畑に関連して「元気な土で作る取組み全てをとれたんと」と呼ぶように変更しまして、一層力を入れていこうとしています。


――今、小豆以外で「とれたんと」として出荷している作物はありますか?

吉国:まずはアスパラガスですね。十勝清水町のアスパラガスは有名なんですよ!!

渡辺:他にもあります、かぼちゃ、じゃがいもなど。

吉国:ただ、今お伝えした作物は収穫したもの全てが「とれたんと」ではないですけどね。


――収穫の一部がとれたんとの作物もあるのですね

吉国:そうです、アスパラガス、にんにくについては全量「とれたんと」、野菜の一部が「とれたんと」になっている物もございます。


――そうなんですね。
私事ですが、以前清水町で食べたアスパラガス、人生で一番美味しかったです。

渡辺:ありがとうございます!生産者にとってこれ以上の言葉はありません。

とれたんととは2

あずき茶播種(撮影5.23
▲十勝清水町の広大な畑。おいしい作物はここで作られています。

「とれたんと」が始まったきっかけ

――はじめの頃の部分をもう少し伺いたいのですが、最初の「とれたんと」シリーズは小豆から始まったのですか?

吉国:いいえ。十勝若牛アスパラ祭りというのがありまして、グリーンアスパラガスが一番最初ですね。次がにんにくです。


――「とれたんと」を始めた時に苦労したことなど、裏話はありますか?

渡辺:十勝清水町はどちらかというと野菜が弱いのです。「野菜をもっと沢山売り出してほしい」という生産者からの意見がきっかけで農協内で企画が練られて実現しました。
それでも、最初は賛同して頂ける生産者が少なく、プロジェクトを進めるまでには苦労があったと聞いております。


――そこに完熟肥料を使おうと発案したのは、組合長さんですか?

吉国:そうですね。組合長・役員の皆さんが今ある資源を有効に活用しようと発案したと聞いています。今となっては清水町以外にも結構需要があり、清水の堆肥を欲しいと連絡をいただく事も増えてきました。


――組合長さんから当時の苦労話などを聞いたことはありますか?

吉国:今でも大変ですけどね(笑)まずは、生産者さんに理解をしてもらうということ。あとは、有機肥料ですから1年で結果がすぐ出るというわけではないんです。継続することに意味があるということを発信し続けていますね。


――なるほど。土がどんどん良くなっていくということですね。

渡辺:「とれたんと」の取り組みが始まって大体5年程となります。
1年2年では成果も見えず、土も変わらないため、浸透するまで時間がかかるんですね。
ようやく少しずつ皆さんに認知されてきた気がしています。

吉国:人間みたいに「ちょっと高い栄養剤を飲んだから今日は1日元気」というような即効性があることではないですから。
継続が大事ということですね、そこをご理解いただくということが大事ですね。


――通常の堆肥よりも割高になってしまうのではないでしょうか?

渡辺:おっしゃる通り、手をかけている分だけ生堆肥よりは割高にはなってしまいます。


――それでも想いに賛同してくれる方々と試行錯誤があり、やっと5年が経ったということですね。

渡辺:はい。少しずつ少しずつですが生産を拡大していってる状況です。

吉国:ゆくゆくは十勝清水町で採れたものは全部「とれたんと」にしたいと考えています。


――作物も差別化が大事ですよね。

渡辺:はい。私たちは生産者さんに協力していただき、畑作りから始めます。
全員一丸となって美味しい作物を作り、「とれたんとブランド」を強化していきたいです。
ブランド強化することで収益を上げ生産者に還元できればと考えています。

ご存知の通り、十勝は食料自給率が1,000%超えと非常に高く、酪農も作物もトップレベルです。なぜかというと土が強いんですね。農家の皆さんの長年の頑張りが実を結んだ結果だと思います。

先ほども少しお話しましたが、酪農の資源が無いと畑はやせていきます。
化学肥料だけだとなかなか難しい。


――勉強になります。それが十勝の強みということですね。

あずき茶が出来るまで

あずき茶収穫した後(撮影9.24
▲収穫直後の真っ赤なあずき。ここから夾雑物などを取り除き加工へと進められます。

――製造の流れを教えてください。

渡辺:十勝清水町の生産者が丹精込め栽培・収穫した小豆を焙煎に協力していただいている珈琲専科ヨシダさんにお届けします。そこで焙煎、粉砕したものを当JA農産物加工処理施設で袋詰め、包装、検査を行い出荷しています。

あずき茶 原料取出し
▲珈琲専科ヨシダさんで焙煎を行っている様子


――焙煎というのは、先ほど焙煎画像で見たコーヒーを焙煎するものと同じ機械なのですね。

渡辺:はい!使用する機械は、珈琲焙煎機になります。何十年と珈琲焙煎で培った技術を
お茶づくりに応用して製造して頂いております。


――御社での売れ行きはいかがでしょうか?

渡辺:はい!おかげさまで好調です。
現在は、十勝の顔である「十勝川温泉街の旅館・ホテル様」等でウエルカムティとして使用されております。私の最終目標である北海道のソウルドリンクとして認知されるまでは、時間がかかりそうですが・・・。(笑)


――ありがとうございます。あずき茶の製造方法として、なぜ「焙煎」を選んだのでしょうか?

渡辺:焙煎するとまず香りが良くなります。焙煎の火入れの具合によってかなり味が変わるのですが「この変化を見逃さず仕上げる」ここが職人の技が光るところでしょか。焙煎工程は奥が深いのですが、うまみを出すには焙煎が一番かと考えています。


――そうですよね、試作段階でいくつかの焙煎温度をいただいた際にそれぞれ大きく違う印象を持ちました。

渡辺:御社へ供給させて頂いているオリジナル商品は、炭になる一歩手前くらいですね。ここまで深煎りすると味・色に深みが出ます。
なぜ当JAで深煎り焙煎の商品化をしなかったのが悔やまれます。(笑)

普通はそこまで焙煎すると苦味が強くなってしまうのですが、そうさせないのが職人である珈琲専科ヨシダさんの技術の結晶です。
焦げて火を噴く寸前を見極めて焙煎しているので、色の出具合も良いですし風味が豊なのが特徴です。

あずき茶発芽(撮影6.8
▲あずきが発芽した際の写真

あずき茶成長(撮影6.29
▲徐々に成長した様子

あずき茶開花(撮影8.3
▲ついに開花。収穫までもう少し

あずき茶開花成長(撮影8.20
▲さやが出来上がりました。

あずき茶開花成長(撮影9.14
▲秋口になると、少しずつ色が変わりはじめます。

あずき茶収穫(撮影9.24
▲いよいよ収穫。

今後の商品開発について

――十勝清水町のあずき関連商品として、あずき茶の他にどのような商品があるのでしょうか?

渡辺:小豆を外皮丸ごと粉砕し手軽に栄養を取って頂ける「あずきっ粉」、北海道の夏を乗り切るのに開発した「北海道十勝あずきサイダー」がございます。


――あずきサイダーですか!

渡辺:あずき茶を手軽に飲めるよう「ペットボトル化」にしようと開発していたのですが、気付いたら「あずき茶」にサイダーを混ぜていました。この商品には賛否両論ありますが・・・。(笑)
コーラフロートのように「あずきサイダーとバニラアイス」をと一緒に食べるとすごく美味しいんですよ!


――たしかに、掛け合わせで美味しくなりそうな感じがしますね。

渡辺:はい!喫茶店や売店等でソフトクリームを乗せた「ご当地ソフトフロート」として提案できないかと考えております。
後は「あずきっ粉」を使ったあずき石鹸を作ったり、色々とチャレンジしましたね。
どれも作るのは良いのですが、販売するのがなかなか大変で。


――そうですよね、あずき石鹸も沢山のメーカーさんが販売されていると思うので、

渡辺:私の思いとしては、どうせ作るなら肌のトラブルで悩んでいる人達に喜んで頂けるような最高級石鹸を作りたいと考えました。
ただ、こだわり過ぎて高価になってしまったのが難点ですが(笑)

でも一度使ったら病みつきですよ!保湿効果のシアバターがたっぷり、ホホバオイル配合、小豆パウダーでスクラブ効果を狙う、天然素材にこだわりきったこれ以上贅沢な石鹸は無いのですから。
江戸時代には、天然のサポニンとして「あずきの磨ぎ汁」で洗顔していた事も古文に残っています。昔から小豆は美容に関わってきていたのですね。

あとは、あずきオーレも開発中です。牛乳やお湯とかで(作る)、ミロみたいなものですね。

吉国:おいしいですよ!まだ試作段階ですが。

渡辺:今後としては、「あずきっ粉」を広めていきたいと考えています。
現在、「あずきっ粉」の業務用が、有名なお菓子メーカー等でチョコレート・パン・ゼリーに使用して頂いていますが、一般の方にも手軽に栄養を取って頂ければ嬉しいですね。


――本日は沢山のお話を聞かせていただきありがとうございました!

非常に熱い想いをお持ちのお二人にお話を伺い、生産者と二人三脚で町を盛り上げていく姿勢を見習いながら、私達も微力ながら協力していきたいと考えさせられる取材でした!