セレクター紹介 - 勝山 良美

セレクター紹介

株式会社YOSHIMI 代表取締役社長 兼 オーナーシェフ

勝山 良美 YOSHIMI KATSUYAMA

1983年開店のレストラン「YOSHIMI本店」をはじめ、仙台・東京・千葉・名古屋・福岡にカフェレストランやスープカリー専門店、ハンバーグ専門店など約20店舗を展開する。2006年にレトルトスープカレーを開発したことから、観光土産品のプロデューサーとしても手腕を発揮。「札幌カリーせんべい カリカリまだある?」等のヒット商品を生み出している。
菓子卸売業を始めた17歳のときから約50年、好奇心を武器に食の世界でチャレンジを続ける、北海道を代表する料理人であり経営者。2013年には『最強「ご当地定番」のつくり方』を上梓、そのノウハウを惜しみなく披露した。

YOSHIMIエントランス

ロコの“Enjoy!”からYOSHIMIは始まった

株式会社YOSHIMIの事業の柱は二つ。一つがレストラン事業で、ススキノのYOSHIMI本店をはじめとして全国に約20店舗を展開しています。
もう一つがリテール(小売)事業。北海道土産の定番に育った「札幌カリーせんべい カリカリまだある?」「札幌おかき Oh!焼とうきび」、最新作の「さっぽろいちごショコラ」などの製造・販売をしています。

僕が食の世界に入ったのは17歳のとき。美唄市で生まれて、幼少期を足寄町、北見市で過ごしました。
それから札幌に出て来て、就職したのがお菓子屋さん。そこでしばらく働いて、独立しました。動機の一つは車ですね。
子どものころから車が大好きで、自分の車がほしかった。でも、当時は会社勤め人の給料で買えるようなものではなくてね。これは自分で商売するしかないと思ったのです。

初めての商売はシュークリームの仲卸でした。1個6円で仕入れて、いこいストアやまるやまいちばに8円で卸していました。儲けが出るようになりましたが、利益はたかがしれている。次にやってみたのが、たい焼き屋。これがYOSHIMIの製造の始まりですね。

このときは粗利75%で、必要経費を支払っても5割くらいの利益が出た。大卒の初任給が3〜4万円くらいの時代に、同じくらいの売上げがあったのには驚きました。そうこうしていたら、なんと「およげ!たいやきくん」が大ヒット。面白いほど売れましたよ。
まぁ、歌の人気が落ち着くと、売れなくなりましたけどね…。笑

それで、串だんご屋を始めました。ちょうど、甘さ控えめをよしとする時代に変わってきたころです。
ただ、砂糖を少なくすると保存がきかない。色々と考えた結果、夜中につくって朝から売ることにしました。つくりたてを食べてほしいという思いがあったので、このスタイルはよかった。
口コミで評判が広まって、串だんごも売れに売れました。それが25歳くらいのときですね。
ここまでがむしゃらに働いてきて、一息という事で生まれて初めて海外旅行をすることにしました。商売を始めてからずっとひたすら走り続けていましたから。いまは亡き親爺とハワイに行って、そこで、人生が変わりました。何があったかというとたまたま入ったレストランで、スタッフの女の子に笑顔で“Enjoy!”と声をかけられたんです。
当時、日本のレストランに入って「楽しんで!」と言われることなんてないですよ。
これは衝撃でした。このハワイでの体験が、レストランを始めるきっかけになったのです。

勝山 良美様インタビュー

経営哲学は「ノンジャンルキュイジーヌ」

1983年、帰国してYOSHIMI本店を開店。たい焼きと串だんごはつくってきましたが、本格的な料理は初挑戦でした。
社員に料理を教えてもらい和食・イタリアン・フレンチ・中華と、少しずつ覚えましたね。でも、自分が厨房に立つことはありませんでした。料理人と呼ばれる道に入ったのは、39歳のとき。
まかないでつくったカレーを常連さんに出したところ、すごく褒められて喜ばれたのです。
それがきっかけとなって料理人としての道を歩み始めました。僕は、料理人の王道を歩んでいないぶん、その世界の常識にとらわれていません。イタリアンに醤油を使うなど、自由に発想して料理します。

おいしさにはこだわるけれど、和食はこうあらねば、イタリアンのあるべき姿はこれなどとこだわらない。YOSHIMIの料理は「ノンジャンルキュイジーヌ(ジャンルを超えた料理)」です。
料理だけではなく、商品開発のときも「こだわるけれど、決めつけない」を方針にしています。

商品化第一号であるレトルトスープカレー「じゃがいもチキン」も「札幌カリーせんべい カリカリまだある?」も、一般的なレトルト食品やせんべいのつくり方にとらわれず、徹底的に本物のカレーらしさにこだわりました。
それが、常識を打ち破り、ヒットにつながったと考えています。「こだわるけれど、決めつけない」、YOSHIMIの経営哲学ともいえる信念ですね。


勝山 良美様インタビュー

成長の鍵は、考え続けることと好奇心

17歳で商売を始めてからこれまでに、たくさんの失敗をしてきました。それを乗り越えたからこそ、成功があった。
僕が何をしてきたか。とにかく、常に考えることを止めませんでした。何かのまねをするのではなく、新しいことに挑戦することを選んできました。考えて考えて考え抜いて、いままでやってきました。
あと、旺盛な好奇心にまかせて、いろいろなことを体験して、いろいろなことに挑戦してきましたね。
ものごとに興味をもつから、この人に会ってみたいとか、これを食べてみたいとか、ここに行ってみたいとなるわけですよね。
その好奇心の差が「体験力」の差になると思います。成功した人を見ていると、とにかくアグレッシブ。控えめは美徳ではなく罪悪であると考えて、少しでも興味のあることには積極的に挑戦してみたほうがいいですね。

YOSHIMIは社員・アルバイト合わせて300人を超える大所帯となりましたが、いまでも誰よりも好奇心が強く、とことん考え抜いているのは僕だと思っていますよ。

僕の原動力になっている好奇心が、魅力的な人やおいしいものとの出会いにつながっていると感じます。そして、その好奇心と「こだわるけれど、決めつけない」というふるまいから、新しいことが生まれるのだと思います。

たとえば、「北海道くらし百貨店」でもお薦めした「ソラチしゃぶしゃぶのタレ」。使ってみたら、しゃぶしゃぶのタレにしておくのはもったいない。
試してみたら、冷や奴にも焼きそばにも鍋ものにも合うんです。
好奇心もなく常識にとらわれていたら、万能なタレだということに気づかなかったでしょうね。わが家に常備されている食品類は、そんなふうに好奇心と決めつけない心で選んだものばかりです。

愚直なものづくりが価値ある商品を生む

勝山 良美様インタビュー

もう少し若ければ、やってみたいことがあります。それは北海道に「成城石井」のような店をつくること。
東京に行くと利用するのだけれど、いつもバイヤーのレベルの高さに驚かされます。
この商品をよくもってきたなあ、あっばれと思う品揃えなんですね。
サンドイッチ一つとっても、工夫がある。ちょっとクセのあるベーコンを選んで、インパクトを出している。どこにでもあるサンドイッチとは一線を画す、大人のサンドイッチです。
ついシャンパンを買ってディナーにしたくなるような一品なのです。これはすごい。
求めているもの、自分たちが目指していることをきちんとやっている証拠だと思います。だから、強いオリジナルができあがる。われわれのものづくりも同じですね。
これがあってよかったと思われるものをつくっていけるのかどうか。愚直なこだわりがないと、本当の意味ある商品なんかできないと思うのです。

そういう価値のある商品を扱い、よりよいライフスタイルを提案していくという「北海道くらし百貨店」。
その発想は、よく理解できました。難しいけれど、挑戦する意義をチェックしながらクオリティを保っていかなければなりませんね。
北海道にはポテンシャルがあるので、やってよかった、あってよかったという施設になってほしいです。応援していますよ。