セレクター紹介

道産日本酒コンシェルジュ

藤村 知世 TOMOYO FUJIMURA

ミス日本酒Miss SAKE選考会によって「伝統ある日本酒と日本文化の魅力を日本国内外に発信する美意識と知性を身につけたアンバサダー(大使)」として選出される「ミス日本酒」の北海道大会初代グランプリ。
一般社団法人 友醸にて「日本酒・和文化を世界へ発信」することをミッションとして日本酒を取り巻く日本の食や文化を深く学び、その魅力をたくさんの人に伝え、広める役割を担っている。
さまざまな活動を通して、日本酒を楽しく飲んで、日本酒好きの輪を広げる場をつくり、日本酒の普及に貢献している。

2015 ミス日本酒 北海道代表に輝く

藤村様 日本酒をもって

ミス日本酒というのは、ミス日本酒Miss SAKE選考会によって「伝統ある日本酒と日本文化の魅力を日本国内外に発信する美意識と知性を身につけたアンバサダー(大使)」と定義されています。
日本酒を取り巻く日本の食や文化を深く学び、その魅力をたくさんの人に伝え、広める役割を担っているのです。
初代ミス日本酒は2014年に誕生しました。いまは2017年のミスが世界各地で活動を続けています。

私が出場したのは2回目の大会。この年から都道府県ごとの予選会がスタートしました。
残念ながら本選のグランプリは逃してしまいましたが、北海道大会の初代グランプリに選ばれました。

ミス日本酒になってやりたかったのは、日本酒の奥深さを多くの人たちと共有すること。
酒米を育てている農家、それをお酒に醸す杜氏、できあがったお酒を販売する酒屋…と、日本酒は、たくさんの人たちの思いと仕事から生まれます。
日本酒に関わる人たちにお会いして、熱い思いをうかがって、それを自分のなかでじっくりと醸して、まだ日本酒をよく知らない人たちに自分の言葉で伝えたいと思っていました。

勤務先である酒屋・小井商店の代表が立ち上げた一般社団法人 友醸という団体があります。ミッションは「日本酒・和文化を世界へ発信」すること。
さまざまな活動を通して、日本酒を楽しく飲んで、日本酒好きの輪を広げる場をつくっています。私は、理事と広報を務めておりますがまだまだ微力ながら、日本酒の普及に少しは貢献できているとうれしいです。

「三芳菊」との出会い

日本酒にのめり込んだのは、「三芳菊」という日本酒がきっかけです。
徳島県の三芳菊酒造という蔵元がつくっています。初めて飲んだとき、「これが日本酒なんだ!」と驚きました。
というのも、完熟したパイナップルのようなフルーティーな香りと酸が立つ味わいなのです。
当時、日本酒は辛いという印象しかもっていませんでした。季節の料理に合わせてたまに飲むという程度でしたし、お酒のなかの1種類としかとらえていませんでした。
でも、三芳菊を飲んで、はじめての味わいに驚き、おいしいと感じたのです。
白ワインのような日本酒があると知って、それまでの概念が根底から変わりました。

この体験は、私の人生を変えることにもなりました。
当時の私は、夢を見失っている状態。学生のころから司法書士を目指し、資格の勉強をしていましたが、なかなか受からないまま20代後半になって、最初のころの情熱が薄れかけていました。
そんなときに「TED×Sapporo 2014」に参加。北極冒険家の荻田泰永さんやロケット開発をしている植松電機の植松勉さんが、挑戦することの大切さや失敗を恐れない心についてお話されるのを聞きました。
「私も変わらなきゃ!」と、一生懸命にがんばれることは何かを考えるようになったのです。
そのタイミングで「三芳菊」と出会い、ミス日本酒を知りました。
私の名前は「知世」、世界を知ると書きます。日本酒の世界を知って、その知った日本酒を世界に伝えたいと強く思って、ミス日本酒のコンテストにチャレンジしました。


店内の日本酒

日本酒とステーキのペアリング

同じころ、もう一つの衝撃的な体験をしました。友醸が開催する「友醸の会」という日本酒会に参加して、和歌山県にある酒造会社・中野BCの「超超久」を飲んだときのことです。
それだけで飲むと、ちょっと苦みや渋みを感じました。
でも、ステーキと合わせると、口のなかに力強い旨みが広がって、まったく違う味わいになったのです。
同じお酒なのに、合わせる料理で格段に味が変わる。その日本酒の奥深さに驚くと同時に感動しました。
ほかの参加者も、意外性に驚いていて、その感動とおいしさを共有できたのもうれしかったです。
日本酒は人と人との架け橋になることを知った体験は、いまの活動の原点になっています。

ワインが好きな方やお酒に詳しい方は、マリアージュという言葉をご存じでしょう。フランス語の「結婚」という意味で、ワインと料理の相性をいいます。
お酒単体ではなく、料理と味わうことはワイン以外でもありますね。
おいしさの相乗効果をもたらす、お酒と料理の組み合わせを「ペアリング」といって、日本酒でも盛んになってきました。
さらにもう一つプラスαすることを「トリプリング」といいます。
これは、お酒と料理と何かを重ねて、おいしさを追求すること。身近な例では、お酒から離れてしまいますが…。サンマと大根おろしの組み合わせっておいしいですよね。
それだけでも充分ですが、そこにちょっとスダチをしぼってみる。味わいが変わって、新しいおいしさが楽しめます。トリプリングとは、このスダチを見つけることだといえるでしょう。


「ごほうび日本酒」を文化に

日本酒の基本的な原材料は、お米と麹と水。
お米や麹の種類が異なり、土地ごとの水や気候も違うけれど、使う原料は同じ。つくる工程もだいたい同じ。でも、同じものにはなりません。
それぞれに個性のある日本酒ができあがります。
そして、単体で飲むときと料理と一緒に飲むときでは味が変わり、料理との組み合わせでもまた味わいが変化する。いくつもの表情を見せる日本酒の奥深さ。そこに魅了されっぱなしですね。

ドイツの人たちは、「まずいワインはない」と考えていると聞きました。
おいしいもまずいも、そのワインの個性をどう感じるかということであって、どんなワインもそれぞれに良いと。
日本酒も同じだと思います。人それぞれに、「これは好き、これは苦手」という日本酒があるだけ。
飲む機会が増えるほど、自分と相性の良い日本酒に会える可能性が高まります。
その出会いを体験してほしいから、日本酒との出会いのきっかけをたくさんつくっていきたいですね。

特に、20・30代の若い女性たちの愛飲家を増やしたい!
がんばった自分へのごほうびに、好きな日本酒を飲むとか買うといった習慣が根づくとうれしいです。今回セレクトした日本酒も、女性に飲んでほしいものを意識しました。

ところで、その土地でできるお酒を「地酒」といいます。
地元の人たちが飲んでいる割合は、わずか約1〜2割らしいです。
北海道では、酒造組合とホクレンが中心となって推進している道産酒の消費拡大を目指す「酒チェン」キャンペーン以降、少し増えて3割くらいになりましたが、まだ少ないですよね。
自分の地元でつくられているお酒の魅力を知らない人たちがいるってことですから。
北海道にも、土地に根ざした蔵元がたくさんあります。私も、北海道のお酒を広める力になりたいと思って、蔵めぐりをしながら、勉強中です。

日本酒に、正しい飲み方はありません。
だから、どんなふうに飲んでもいいのです。たとえば、日本酒に苦手意識があるなら、日本酒を使ったカクテルから始めてもいいと思います。
暑い夏にビールのようにゴクゴク飲みたいと思ったら、氷を入れるのもありです。
別のタイミングで本来の味も知っていただければ、飲み方に多様性があるのはいいと思います。
一つだけお薦めしたいのは、「和らぎ水」を一緒に飲むこと。いわゆるチェーサーですが、日本酒はアルコール度数が高めなので、途中でお水を飲むことは、体への負担を軽くする効果があります。
二日酔いを防ぐ意味でも、ぜひ心がけてみてください。また、日本酒は、飲むだけではなく、スイーツとして味わうのもいいと考えています。
日本酒に興味を持つという意味では、酒粕を使ったコスメ、目を引き手に取りたくなるようなボトルやラベルのデザインも有効だと思います。
農家の米づくりや稲刈りを体験したり、日本酒の蔵をめぐったりして、つくり手を知るということも、日本酒への関心につながります。
みなさんと日本酒との縁結びができるようにがんばります。


愉酒屋 店内の画像

店内には、普段見かける事の少ない様々な日本酒や梅酒が沢山。贈り物にも最適です。

愉酒屋 看板

北海道札幌市清田区真栄2条2丁目4-12 にて営業している。
お気に入りのお酒を購入するため、市外からお越しになる方も沢山いらっしゃる人気店。